2022.08.18
メタボローム解析サービス
メタボローム(metabolome)とは、代謝物(metabolite)と、ギリシャ語の「全て」を意味するomeを合成し…
腸内細菌は酸素がほとんどない腸管内で、互いに共生関係を構築し、安定したコミュニティを形成しています。これを自然環境下で再現することは難しく、腸内細菌種の同定ならびに機能特性については、未だ不明な点が多いままでした。
NOSTERは、独自に開発したマイクロ流体デバイスにより、約50µmのドロップレット内に、糞便懸濁液からバクテロイデスやアカマンシアなど偏性嫌気性微生物を生きたままダイレクトに分離し、酸素に触れることなくドロップレット内で嫌気培養する技術を有しています。更に、菌種ごとに最適な選択培地を複数開発しており、これらの技術を組み合わせることで、乳酸菌などの通性嫌気性微生物だけでなく、難培養の腸内細菌を含む1,600株以上の多様な微生物ライブラリーを構築しています。また、理化学研究所との共同研究により、メンブランフィルター法を用いた腸内細菌の共培養技術を確立しており8)、腸内細菌間の共生関係を解明する研究も進めています。
これらNOSTERにしかできない微生物の分離・培養技術は、腸内菌叢解析の標準化や機能解明、創薬シーズの拡充など、NOSTERが行うすべての研究開発の基幹となる最も重要なバイオテクノロジーです。
(引用文献)
8) Hidenori, S. & Yoshimi, B. Microbiol Immunol 59, 643-652 (2015).