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INTERVIEW科学と技術の結実。
健康を導くHYAの幕開け。

京都大学農学研究科 応用生命科学専攻 教授小川 順JUN OGAWA

1995年京都大学農学研究科博士課程修了(農学博士)。同大学農学研究科助手、フランス国立農業研究所客員研究員を経て、現在は京都大学農学研究科応用生命科学専攻発酵生理及び醸造学分野教授。機能性食品生産、プロバイオティクス開発などに有用な微生物機能・微生物酵素の研究を行っている。

食事脂質の研究が導いた
HYAとの出会い

1999年、ある機能性脂質を微生物でつくろうとして、私たちの研究室で発見されたのが、これまで誰も見つけられなかった脂肪酸代謝物HYAでした。このHYAの発見をきっかけに、約10年の歳月をかけて、「腸内細菌による脂質代謝」の全体像を解明。食事で摂ったリノール酸が、乳酸菌などによってさまざまな物質に変化しながら代謝されていくことや、その中間で生まれる物質HYAが、身体への多彩な生理機能を持つ、という可能性を見いだしました。

HYAの機能を解析し、
ポストバイオティクス®を確立。

未知の物質だったHYA。その機能を詳しく解析するには、栄養学、薬学、医学研究者との幅広い協働が必要でした。そこでHYAを探究するために、分野を横断する大きな共同研究の構築を提案。結果、さまざまに健康をサポートするHYAの機能を確かめることができました。この活動によって、「腸内細菌の食事成分代謝物が、健康増進の実行者として重要な役割を担っている」という、新たな「ポストバイオティクス®」の概念が打ち立てられたのです。

ヒトだけの代謝ではつくれない
特殊な脂肪酸HYA

「脂質代謝異常改善」や「免疫制御」など、腸内細菌がつくりだす脂肪酸代謝物には、現代人の健康に大きく関わる、さまざまな機能が期待されます。けれど、これらの物質の多くが、ヒトだけの代謝ではつくれない特殊な脂肪酸。人々の健康のために活用するには、微生物の力を活用した生産開発が必要です。そこで企業研究者が努力を重ね、ついに生産化が実現。科学的な発見を実用にまで結実させた、そんな「ポストバイオティクス®」の第一号が、HYAなのです。

健康をサポートする
HYAと腸内細菌研究の躍進を願って

「HYAは、食事に伴い腸管内で腸内細菌によりつくられる、我々の健康をサポートする代謝物である」。この単純明快な事実を科学的に確かめ、実際に皆さんに届けられる技術・体制を構築できたのは、多くの研究者の尽力の賜物であり、成長の証だといえます。食事成分の腸内細菌代謝物である、ポストバイオティクス®としてのHYA。この、人々の健康を支える新たな宝が、研究者たちの飛躍とともに大きく羽ばたくことを願ってやみません。

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