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INTERVIEW実験によって明らかになった、
肥満を抑えるHYAのしくみ。

慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科入江 潤一郎JUNICHIRO IRIE

1996年慶應義塾大学医学部卒業(医学博士)。糖尿病や肥満症の臨床に従事し、北里研究所病院糖尿病センター 副センター長などを経て、現在は慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科専任講師。日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本肥満学会の専門医・指導医・評議員および、日本肥満症治療学会の評議員を務める。

太りにくい人の腸には
太りにくい腸内細菌物質がある

私は医師として医療に携わりながら、肥満症や2型糖尿病における腸内細菌の役割や、治療への応用について研究しています。皆さんも不思議に思ったことはありませんか? なぜ、同じような食事や生活をしていても、太りやすい方とそうでない方がいるのか。じつは、肥満になりにくい方の腸には、肥満しにくくなる腸内細菌が存在し、腸の中でさまざまな物質をつくりだすために肥満が生じにくい、と近年の研究でわかってきたのです。

HYAの摂取で
体重や体脂肪率が減少

HYAは、そんな腸内細菌の一種である特定の乳酸菌がつくる脂質のひとつ。動物実験により、「HYAが肥満を抑え、糖尿病を改善する」ことが明らかになりました。そこで、健康な人にHYAを摂取してもらい、食事をした後の血糖値の変化を調べたところ、HYAの摂取により食後の血糖値上昇が抑えられことがわかりました。さらに、約3ヵ月間つづけて健康な方にHYAを摂取してもらったところ、安全に摂取できると確認できた上に、体重と体脂肪率の減少がみられました。

肥満を抑えるカギとなる
GLP-1とHYAの関係

体重と体脂肪が減った理由については、腸のホルモンが関係すると考えられます。食事を摂ると、腸は、腸の動きや食欲を抑えるホルモンを分泌します。その代表が、糖尿病の治療薬としても知られるGLP-1というホルモン。HYAを摂ると、このGLP-1が腸からよく分泌される、ということが動物実験によってわかりました。つまり、人もHYAを摂取することで、腸からGLP-1などの腸管ホルモンがより分泌され、その結果、体重が減ったと考えられるのです。

「減量の特効薬」がない
現在こそHYAに光明

肥満とは、体に脂肪が過剰にたまっている状態で、そのために高血圧症や糖尿病などが生じている状態を肥満症と呼びます。肥満症は治療すべき病気であり、食生活や運動習慣を見直し減量すれば改善できます。しかし、減量が難しいことは世界共通です。残念ながら現時点では、簡単に減量できる薬は存在しません。そんな現在において、特定の乳酸菌がつくりだすHYAを用いて体重を管理できるようになれば、世界中に大きな希望がひらけるはずです。

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